本職サラリーマンなもんで、新潟県の燕市へ出張。
大阪23時27分発の『寝台列車 急行 きたぐに』に乗って東三条まで。
東三条には、翌朝7時45分ごろ着。東三条駅のホームでウロウロしていた時、我社の鉄ちゃん課員から電話があって「弥彦線の発車までは後一時間ほどあるので東三条の駅を出て、どこか喫茶店かなんかで朝飯喰ったほうがいいですよ」と、バカ上司(私のこと)にアドバイス。アドバイスにしたがって東三条駅前に出たが喫茶店等なし。売店でパンと缶コーヒーにて朝食。
東三条からは弥彦線で燕へ。
燕駅に着。
Yahooの天気予報はあたらず。傘なしで雨が降る中、目的の会社を探す。民家風の家々が並んでいるので工業都市というイメージはまったくない。◯◯工業株式会社とか大きなカンバンがあって、大きな敷地にドカーンと建屋があるなら、そこを目がけていけばいいのだけど、街並みは民家である。人通りも少ない。印刷したGoogleの地図は雨にぬれてクシャクシャになった。目的の会社にはすぐ近くまで来ているはずなのだけど、迷子の迷子の子猫ちゃんになった。電話をかけると1分ほどのところです、とかで車でむかえに来てくれた(ちなみに私は方向音痴で場所音痴で地理音痴である)。
燕市は小さな工場集まった町で、洋食器生産では世界的なシェアをほこる。ステンレスの加工についてはこの町全体が高い技術を持つ集団となっている。プレス、熱処理、表面処理など専門の業種が集まっているが一社だけでは製品(商品)が完成しない。それら各専門メーカーを束ねる仕組みが必要である。燕市では、受注活動と生産管理を行い、出荷までの責任を負う会社が存在しているわけだ。
ステンレスの食器だけでは発展が難しいというわけで、最近ではファミリーレストラン/回転寿司などの食品を集中して調理生産している、いわゆるセントラルキッチンの設備なども請け負っており、さらに、産業用機器の部品も手がけている。
私は産業機器のメーカーの調達部門の一員であり、この出張は、とある社長に会って商談をまとめる仕事。要求する部品は「絞り加工」といって平べったいステンレスの板を立体的に整形する加工。相当に難しい技術が必要であり、燕市の技術でなければ安価で高品質なものはできないという判断があった。
私が面会した社長いわく「この町には1400社くらいのメーカーがあります」と。
一瞬その数字を疑っってしまったが、民家だと思って玄関の扉を開けると、そこは機械加工の工場だったりするらしい。
この工場で絞り加工をやりますというわけで、プレス加工をやっている企業へ案内したもらったけどそこの作業者は6人だけだった。「これでもこの町の中堅どころです」とのこと。プレスの仕事以外はやっていない。
小さな会社がこの町に集中してつながり合っている。燕市は町全体がひとつの企業になってるわけだ。
追記
帰りは東京経由で新幹線。