うれしそう
私はほとんどテレビを見ないが、たまたまトレンドマイクロ社の日本代表がトーク番組に出演していたので見入ってしまった。「一昔前のウイルスは面白がって作る愉快犯のようなものだったが最近では悪いサイトに連れて行ってパソコンからパスワードなどの情報を盗んだりする悪どいウイルスが増えてきている」
というようなことを話しておられた。
氏が嬉しそうに、にこやかに話されていたことがとても印象に残った。悪いウイルスのことをにこやかに話している。氏はウイルスを憎んでいない。
ウイルスを有難がっているようにすら思える。あくまでも私の印象である。
で、私はふと「ゴキブリホイホイ」を思い出した。
ゴキブリホイホイのメーカーはゴキブリがいなくなったら困るんだろうな。少しづつ捕まえて、減り過ぎないようにしておきたい。これがメーカーの本音ではないだろうか。
近くに家内がいたのできいてみた。
「ゴキブリホイホイでゴキブリは 減ったか?」
家内曰く、
「いや、減らへん。ホウ酸ダンゴ使ったらゴキブリはおらへんようになった。市販のホウ酸ダンゴより手作りのホウ酸ダンゴのほうがよく効くよ」
どうも、そうらしい。たしかに我が家にゴキブリはいなくなった(ゴキブリ亭主は一匹いる)。ちなみに私はホウ酸団子をまだ食べたことはない。
ウイルスによる被害からパソコンユーザを守るのが「コンピュータウイルス対策ソフト会社の使命」であるわけだが、「悪意あるソフトウェア」を駆除するよりも 「悪意あるソフトウェアを作る悪意ある人間」を駆除するほうがパソコンを使う人々にはどれだけ有難いことか。
少しづつ捕まえて減り過ぎないことを望んでいる。
会社を経営する姿勢としては 当たり前のことであるので、これ以上つっこんで書き綴るのは大人気ない。やめておこう。
でもちょっと、整理しておきたい。
- 「ウイルス対策ソフトを作っているメーカー」はコンピュータウイルスを憎んでいない。
- パソコンユーザは二つに分かれる。
一つは「医学・生物学でいうウイルス」と「コンピュータウイルス」の区別がついていない人たち。
もう一つはコンピュータウイルスを憎んでいる人たち。 - 「ウイルス対策ソフトを作っているメーカー」は「医学・生物学でいうウイルス」と「コンピュータウイルス」の区別がついていない人たちが大好きである。
- 「悪意あるソフトウェアの作者」と「ウイルス対策ソフトメーカー」のお客様は何億人といるパソコンユーザーである。
何かネガティブなことばかり描いてしまった。ちょっと反省。
私の勤めている会社には500台ほどのパソコンがあってすべてウィルスバスターがインストールされている。いままでウイルスによるトラブルは一度もなかったことを報告しておきましょう。
(追記)
特に関係ないがネガティブをタイプミスすると「根が恥部」になってしまうことを今、発見してしまった。
雑踏の中の孤独