情報を記録閲覧する媒体として利便性を総合し、これ以上のものはいまだに現れない。
人は紙が大好きである。オトボケの駄洒落ではないが、だれもが神にたよって紙にも頼る。
日本では年間一人あたり「立ち木4本」を紙として消費しているらしい。 また、紙ゴミの焼却には年間約100~200億円もかかっているとか。
木材の消費を抑えなければならない、ゴミの増加を防がなければならない。
環境に対するは配慮はとても大切で実行していかなければならないのだけど、どうもうまくいかない。
会社では事務用の用紙をどうして減らそうかと「電子化だ」「OA化だ」「IT」だと騒ぐ。
でも、電子化を進めれば進めるほど紙を使うことになってしまっているのはうすうす気づいている。
電子化は紙を使いやすくする仕組み持っている。
ならば、もともと紙好きである人間どもは紙を使わずにいられないわけだ。
ワープロ・表計算ソフト・グラフィックソフト・スケジュールソフト・インターネットブラウザ・・・
どれをとってもメニューの[ファイル(F)]をクリックすると[印刷]という項目がある。これがある限り紙の使用は減らない。
プリンタメーカーは、どんどん高機能で安価な製品を出してくる。プリンタは紙を消費する機械であるからして、プリンタがなくならなければ紙は減らない。
紙を使いすぎると罰金という法律ができなければ紙は減らない。
文書の電子化がだめなのではない。電子化は検索機能・保管スペースにおいては紙と比べ物にならない高機能をもって保管管理ができる。ローコストオペレーションとして電子化はどんどん進めるべきだ。
ただし「電子化とは紙を減らすことなり」というのは間違っている。
「電子化すれば、紙を減らさなければならない」ということに気づくのだが削減に成功することはほとんどない。どんどん使う。
米国では2020年には「販売されるタイトルのうち90%が紙ではなく電子媒体となる」と予測をしている方もいるようだ。
おそらくだめでしょう。電子媒体の読み物は増えるけれども、IT化は紙を消費する仕組みも併せ持っている という矛盾した事実を知っておかなければ。
アドビのPDF。
PDF化された文書は電子ファイルなんだけれどもA4とかA3とかのサイズを基本としてフォーマットされている。 これは、紙に印刷されることを前提としているわけだ。
そういえばアイコンだって文書を示す場合は紙をデフォルメしたデザインだ。ワープロ文書もWebページも、画像ファイルまでも紙をデザインしている。
アイコンは語る。
「僕は 電子媒体でコンピュータに保存されているけど紙の代替ですよ。だから顔が紙の形をしてるんだ。人間たちは本当は紙のほうが読みやすくていいと いつも考えてるんだね」
どうしたんだい電子化。どこへ行くのかIT。
文書の電子化